あるあるからの脱却に向けて

あるあると言われてしまう介護業界のサービス残業について

そもそも「介護士あるある」と認識される理由は?

そもそも、介護業界ではサービス残業があるあるかの如く認識されてしまう理由は何があるのでしょうか。
現状として、上司に申請しにくいといった職場環境や、先輩が自らサービス残業を行っているので申請できないということが理由として挙げられます。
「1分単位で残業代を申請できる」という約束事はあっても、ほぼ形骸化している環境も介護士あるあるではないでしょうか。

多くの事業所の場合「訪問時の身体介護のサービス時間を決めている」など時間内でできることを施し、ご家族へ引き渡すことが一般的です。
また、デイサービスなどでもサービス提供時間が決まっています。
送迎車に乗せて自宅へ送り届けられれば、利用者対応の仕事は業務時間内に終えるでしょう。

しかし、その後の業務日報等の作成に時間がとられるというのがサービス残業の大きな実態のようです。
記載場所が多く煩雑化している、介護士が複数名の利用者の日報作成を行っているといった現状が見られます。
日報作成の内容が、介護保険の請求やソーシャルワーカーが介護者家族などと検討する「介護プラン」などにつながっていくこともあり、手抜きの作業ができないといった緊張感があります。
この業務日報の作成が手間取った場合の残業はサービス残業といった風潮もあるため、残業代の請求がままならないといった声もあるようです。

介護士あるある」という言葉だけでみると身近なイメージが感じられますが、実態を見ると少々過酷な面も否めません。
「あるある」をなくし、働きやすさを向上させる方法を取り入れることが大切です。

サービス残業の原因になりやすい業務とは?

近年、あるあるのように認識されている介護士サービス残業ですが、これはメイン業務である利用者の介護業務ではなく、メインに付随するサブ的な業務が多いです。
内容としては、イベントや介護業務の片づけや準備、利用者の家族とのコミュニケーション、研修や、打ち合わせ、介護記録を記入する、などがあります。
どれもサブ的な仕事となりますが、省略することもできない重要な仕事です。

サービス残業を回避する対策としては、まず、片付けや準備は、スタッフ同士協力して無駄なく動くことが大切です。
最も時間が読めない利用者の家族対応ですが、これも前もって話すことや、重要なポイントを押さえておくと伝え忘れや、漠然とした会話の流れを避けることができます。
とは言っても、先方からの予期せぬ質問や、相談なども受けることがあると思います。
その場合も、時間厳守できないまでも、相手の時間も拘束することになりますので、臨機応変な態度が必要になります。
どうしても残業になってしまう場合は、当然の権利ですので、サービス残業ではなく、残業代の支払いを雇用主に請求しましょう。

また、業務の効率化を考え、スタッフ同士で協力しあうことでもサービス残業を減らせます。
打ち合わせは、話し合う議題や申し送りをあらかじめ、リストアップしておき、その場では結果のみを確認し、検討が必要なものに関しては、次回までに各々考えをまとめておくことで時間を軽減できます。
介護記録では、就業時間中に書き終えるよう、記録する項目のポイントを押さえ、あらかじめメモ書きしておくか、タブレット記入であれば、その場で記録する習慣をつけます。
このような介護記録を効率良く書くポイントはこちらの関連サイトでも紹介されているので、そちらも参考にしてみましょう。